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【人民日報記者の訪日手記2】日本経済はそれほど深刻か?GDPから見たもう一つの日本

2016-04-25 人民網日本語版 人民网日文版



昼時、飛行機が羽田空港に到着した。実は15年前、乗り継ぎのためこの空港を一度だけ利用したことがある。今でも鮮明に覚えているのが空港の分別ゴミ箱。当時、欧米に何年も滞在していた私はゴミの分類についての取材経験もあった。しかし、日本の空港のゴミ箱の清潔さ、分類の細かさ、マークのわかりやすさは非常に印象深かった。(文:丁剛人民日報社上級記者)

 

バスで中心街を通過し、空港からホテルに移動した。移動中は渋滞も無く歩行者も少なく、大きな屋外広告もとても少なくて、クレーン車を見ることも無かった。こうして見る限り、3800万人の人口を抱える世界最大の都市としてはやや意外な気がした。ふと経済関連ワードである「モデルチェンジ」と「人気」という言葉が思い浮かんだ。

 

40年余りもの歴史を持つゴミ分別から、堅固で整然とした都市にいたるまで、日本はどこも秩序が保たれており、これはモデルチェンジと関係している。一方の中国人はどちらかというと人気を重視しており、これは中国の人口や文化にも関係している。

 

日本の高齢化はもはやデータの上だけの話ではないと感じたのは、ホテルの外にいた駐車スタッフも、観光地にいた掃除スタッフも、タクシーの運転手ですら高齢者だったからだ。ホテルのエレベーター内に置かれていた腰掛も高齢者用だという。

 

日本滞在中も、普段と同じように新聞で経済発展に関するネガティブなニュースをチェックしていた。しかし、日本に来てたった数日だが、GDPなどのデータからは日本の別の一面を見ることはできないと感じた。

 

同じメディア業界の環球網の石丁副編集長が別のデータを引用して、日本企業の強さを証明してくれた。トムソンロイターがまとめた「Top100グローバルイノベーター2015」では日本企業40社がランクインし、35社の米国を上回っている。マイナス面と見られがちな高齢化さえ、次世代の成長源となっている。全世界で6万種以上ある高齢者用商品のうち、中国市場では2千種類あまりが取り扱われているに過ぎないが、日本では4万種類余りにも上っている。

 

データの上では、GDP240%にのぼる政府債務を抱える日本政府はとっくに破産していてもおかしくない。しかし、これらの国債のほとんどが日本企業や日本国民の貯蓄に組み込まれており、日本国民が国の債務負担を支えているのだ。国民が国を信頼する限り、問題とはならない。

 

このデータを見た瞬間、日本の高速道路で見かけたある光景を思い出した。ジャンクションを通るたびに、全ての車が整然と並んで順番待ちし、時には300400メートルほど車が並ぶことがあっても、無理やり前へ横入りしようする車は1台も無く、中央と右側の車道は常に通行可能な状態となっていた。欧米諸国への訪問経験も多いが、これほど秩序ある光景を見たことが無い。秩序が民族にとって集団行動の原則となっている場合、その民族はきっと尋常でない結束力を見せるだろう。高速道路での光景は経済とは無関係だが、日本経済を分析する際に考慮する一つの要因となると思う。

 

経済に関しては、28年間日本で暮らしている林さんが特徴的な4点を挙げてくれた。それは物価が十数年間ほぼ安定していること、貧富の差がそれほど大きくないこと、不動産の値上がり幅が非常に小さいこと、収入は長年ほぼ増加しておらず、消費も低迷し不振が続いているが、失業率もとても低いことだ。

 

以前、ある米国の記者が各国都市の街角を歩く歩行者の速度を測定したことがあり、その結果日本人が一番速かった。ここから日本人は仕事のテンポが速く、勤勉で、大変だということが推測できる。一方で、東京の一角で私は静かで落ち着いた生活を目にした。大阪の同業者数名と話したところ、日本人の生活、特に若者の生活は我々が想像しているようなストレスに満ちたものではないという。

 


東京の郊外で売り出されている物件のモデルハウス

    


不動産販売の価格パネル 

 

日本で長年仕事している中国人の若い記者は日本人の若者が結婚相手に持ち家があるかどうかをそれほど重視しない点がとてもうらやましいと話す。東京や大阪などの大都市では、市の中心地から離れた周辺都市を選び5060平方メートルの不動産を借りた場合、家賃はおよそ月額56万円、月収の4分の1程度に相当する。もし不動産を購入する場合は、最長35年の住宅ローンで金利はたったの2%3%、またはもっと低い。子供ができた場合も、学費はほとんどかからない。安定した職と、医療保険さえあれば、後顧の憂いはほとんどない。夫婦2人の月収が合わせて30万円以上ならばかなり安定していると感じることができるという。

 

1968年、日本のGDPは西ドイツを上回り1000億ドルに達し、その経済規模は米国に次ぐ世界第二の経済大国となった。しかしこの年の日本の一人当たりのGDPは世界第20位。1971年には日本の一人当たりGDP2000ドルを超え、3年後にはさらに3000ドルにまで増えた。日本の一人当たりのGDP1000ドルから2000ドル、さらには3000ドルまで増えるのに要した時間はそれぞれたった6年と3年だった。スピードの上で西側の発展諸国を大きく上回っただけでなく、その社会も基本的に安定を保った。日本が「中所得国の罠」を回避することに成功したのは奇跡としか言いようがない。しかしこの奇跡は、日本経済の発展スピードが速く、日本人が勤勉で、日本企業の効率が優れていたからだけではない。さらに重要なのは、比較的公平な分配制度を確立していた点だ。

 

日本は1970年代に高度経済成長期に突入し、80年代にバブルが崩壊するまでの間に、さらに深刻で長期間にわたる景気後退に十分対応できるような福祉制度の構築を基本的に終えている。ここ数年、西洋諸国で生じている規模の大きい経済危機は日本も回避しきれず、時にはその他の国よりもさらに長い期間その危機の影響を受けるに至っている。しかし日本が再起不能に陥ることがないのは、その分配制度の「基礎建築」が優れているためだ。

 

日本の経済停滞を示す驚くべきデータから、我々は日本人が艱難辛苦にまみれた生活を送っているように思いがちだ。しかしこの国に悪感情を持っているからと言って、悪い面ばかりを読者に見せてはならない。またこの国が中国に対し面倒を起こしているからと言って、落ちぶれていくとは限らないのだ。40年以上もの間、ゴミの分類を続け、優れた交通システムを構築し、街中にはクレーン車が林立せず、20年もの間ほとんどの人々の収入が安定し、平凡ながら比較的整った社会保障を受けることができるそんな国の経済を、我々はどのように定義づければいいだろうか。

 

これは中国の遥か彼方にある国を評価しているのではなく、中国と一衣帯水にある経済大国への正確な評価だ。この国は「中国の夢」を実現していく上で回避することのできない重要な外部エネルギーとなるだろう。


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